概要


前章では力学的エネルギーの流れを可視化した.そのエネルギーは方向を持たないスカラ量である.解析する上でこれは都合が悪い.スカラでは3次元空間で複雑に動く身体運動において方向の議論ができなくなってしまう.しかし,エネルギーの時間微分は力ベクトルと速度ベクトルの内積で計算できる.つまり力と速度に分解してしまえば,それらはベクトルなので方向の議論も可能だ.ここではこの利点をいかし身体運動における動力伝達のメカニズムを考える.

目次

  • はじめに
  • 力・速度ベクトルの方向の制御による最適化
    • 内力による動力伝達が運動パターンを形成する
  • スカラとベクトル
  • エネルギーは逃げやすい
  • おわりに
  • 次章に向けて
  • 参考文献
  • 注記

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動かして学ぶバイオメカニクス#18 〜動力の力ベクトルと速度ベクトルへの分解〜