概要


特にロボットの運動との対比を考えると,恐らく身体運動を最もヒトたらしめるものは効率で,運動を行う上でこの呪縛からは逃れられないだろう.ただし,身体の運動における効率を考える上で,一般に機械工学などが定める効率の定義は役立たない.ここではエネルギーの時間微分が力と速度の内積で記述されことを利用して,身体運動における効率を考えるいとぐちについて述べていく.

目次

  • はじめに
    • 運動の拘束
    • 緩い拘束
    • 動力の生成と伝達効率:効率と抵抗
  • 質点と多体系の力学的エネルギーの時間変化と動力伝達
    • 質点の場合
    • 力学的エネルギーから導く仕事率
    • 多体系(2リンク機構)の場合
    • 関節に作用する力はエネルギーのトンネルを形成する
  • 身体運動における力学的エネルギー変化の物理的意味
    • スポーツの運動と日常の身体運動
    • エネルギーの蓄積
  • 次章について
  • 補足
    • 補足1:質点の力学的エネルギーのベクトル表記
    • 補足2:剛体の力学的エネルギーのベクトル表記
    • 補足3:力学的エネルギーの時間微分
    • 補足4:スカラー三重積

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    動かして学ぶバイオメカニクス#16 〜動力の伝達〜