SKYCOM

SKYCOM


DSP9軸ワイヤレスモーションセンサーから算出されるクォータニオンを剛体として変換


DSPワイヤレス9軸モーションセンサーは、センサー内部で加速度/角速度の値から姿勢推定値(クォータニオン)を演算し、その値をメモリ保存できるという優れたハードウェアです。
動作解析を行うことを考えた場合、身体に取り付けられたセンサーの姿勢推定値を、動作解析ソフトウェアへ取り込みたいことがあります。

スポーツセンシング社では、オプティトラック社製のモーションキャプチャシステムを取り扱っており、DSPワイヤレスセンサーや、フォースプレートと共に、モーションキャプチャシステムを同時使用することがあります。
『データコンバータ for SKYCOM』は、姿勢推定によって得られるクォータニオンの値を、SKYCOMの中で剛体として認識するよう、「剛体へ変換するために必要な座標情報を自動的に算出し、かつ、ファイルフォーマットを適切に変換するアプリケーション」です。


DSPワイヤレス9軸モーションセンサ(以降、DSPMS)では、DSPアルゴリズムを入替え可能です。標準では、姿勢推定アルゴリズムを組み込まれており、1kHzサンプリングの慣性センサデータから推定したクォータニオンの値を、無線送信(+メモリ保存)することが可能です。


スポーツコーチングカム タギングファイル・ユーティリティ

スポーツコーチングカム タギングファイル・ユーティリティ

スポーツコーチングカムは、映像を撮影しながらタギング情報を記録できる、他に類をみないビデオカメラです。スポーツセンシング社では、スポーツコーチングカムを最大限に活用していただく為、タギング情報にもとづいて映像の分割を自動的に行ってくれるアプリケーションをご用意しました。


タギング情報による映像分割


撮影された映像を活用する際に、一番の障害となるのは映像の分割です。これまでは、タギング情報があったとしても、映像編集ソフトウェアを別途用意し、手動で一つ一つの映像切出しを行わなければいけませんでした。

本アプリケーションがあれば、スポーツコーチングカムのタギング情報を元に、長い撮影時間の映像ファイルのから、必要なシーンだけを半自動的に切り出すことが可能です。切出作業の劇的な時間短縮は、試合当日のフィードバックだけなく、選手への映像配布まで実現します。


タギング情報の絞り込み

タギング情報の絞り込み


映像結合

本アプリケーションでは映像ファイルの結合も可能です。
スポーツの現場で必要とされる、以下のようなケースで非常に有用です。
作業が簡単になり、分割機能と組み合わせれば、あっという間にフィードバック映像を作成可能です。

  • 4GByteや撮影時間で映像ファイルが分割されるファイルを結合したい(1試合分の映像を一つのファイルにまとめたい)
  • 分割機能によって切り出した映像を結合し、ハイライト映像を簡単に作成したい

直線と平面のなす角度の計算方法

ここでは,具体的にモーションセンサから算出された姿勢角度としてのクォータニオンから,腕などの軸方向の角度を計算する方法を考えていきます.

クォータニオンによる回転行列表現

ページ「モーションセンサを使用した角度の算出方法1」では,「剛体の姿勢角度」と「直線間のなす角度」の違いを述べましたが簡潔に違いを述べると,前者は三つの軸で,後者は一つの軸で角度を表現します.また,直交する三軸をあわらす回転行列 R は物体(剛体)の各座標軸XYZに固定された基底(単位ベクトル) eX, eY, eZを並べたものということも説明しました.

回転行列のクォータニオン表現

一方,「ロドリゲスの式からクォータニオンへ」ではクォータニオン(q0, q1, q2, q3)で回転行列を表現できることを示しました.ここで,再掲しますと,


式(2)


図1:モーションセンサを利用した角度計測


モーションセンサはクォータニオンを初め,オイラー角などの3次元の姿勢角度を出力します.しかし,モーションセンサからクォータニオンが出力されても,実際の角度計測にどのように利用したら良いかわからない方も多いかと思います.

例えば,骨格の線画(スティックピクチャ)の角度をする際に,クォータニオンからそのような角度を計算したいことがあると思いますが,ここではその考え方をご説明いたします.モーションセンサからスティックピクチャを描く際にも,この考え方は役立つはずです.


3次元の姿勢角度の基礎


まず,様々な角度算出を行いたい方のために,その数学的基礎について述べていきます.

なお,最終的な計算方法の結果は次のページで示しますので,以下は読み飛ばしていただいても結構です.


角度と回転


「姿勢」について説明する前に,改めて「角度」と「回転」について整理をしておきたいと思います.