概要


前章では加速度とは速度変化を示すグラフ上ではその速度曲線の接線の傾きであることと,それを計測する加速度センサはどちらかというと力センサとしての信号を出力するということを述べた.本章では,微分や加速度の数学的意味について復習をした上で,座標系と加速度の関係について述べる.

IMUを含むモーションセンサはウェアラブルセンサとも呼ばれ,計測は簡単だが,一方で運動学的な理解が不足すると解析で苦労する.単に加速度の大きさを知りたいという場合は簡単だが,剛体の加速度を対象とすると複雑となる.ここで,しっかりと加速度の運動学的な理解を深めていただきたい.


目次


  • 加速度の基礎
    • そもそも加速度とは? 〜数学的な視点からの復習〜
  • 剛体の加速度
    • ただセンサを貼り付けるだけではだめなの?
    • 加速度座標系における速度(まずは速度を考える)
    • 加速度座標系における加速度(もう1回微分をする)
    • 絶対座標系の取り方による違い
    • 剛体上の任意の位置の加速度の推定
  • おわりに

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IMUによるモーションセンシング #3 〜加速度信号と座標系〜



概要


IMUを構成する加速度センサとジャイロセンサ.このうち加速度センサはバイオメカニクスではそれ以上の意味を持つ.ここでは,身体運動の計測を意識し,その特性について述べていく.

ここで,もっとも注意すべきは,加速度センサは加速度を計測するセンサとして捉えがちだが,その本質は加速度に作用する力を計測するセンサであるということだ.加速度線センサは実は加速度を計測するセンサではないと述べるとギョッとするだろうが,さほど間違いではない.理解せずに加速度センサを利用すると,かなり痛い目にあうので注意されたい.


目次


  • そもそも加速度とは?
    • 加速度とは速度変化の傾き
    • 単位
  • 加速度センサは力センサである
    • 計測原理
    • MEMSセンサの計測原理
    • そもそも加速度センサはセンサに作用する力を計測する
  • 加速度信号の符号の問題点
    • センサは運動の加速度と反対向きの加速度を出力する(符号が反転する)

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IMUによるモーションセンシング #2 〜加速度センサは力センサである〜



概要


身体運動の計測に使用されるモーションセンサは,一般にIMUと呼ばれるセンサを組み込んだ計測機器である.このマガジンでは,スポーツなどの身体運動の計測を目的としたIMUやモーションセンサの原理と応用について解説する.計測原理,その活用方法やPythonによる計算例など解説する予定である.


目次


  • 慣性センサーからモーションセンサーへ
    • IMU
    • MEMSセンサ
    • モーションセンサ
  • モーションセンサにできること
    • 3次元姿勢推定
    • 非光学式モーションキャプチャ
    • 起動推定
    • 力学計算
    • その他
  • モーションセンサー利用時の注意点
    • センサ座標系
    • 温度ドリフト
    • 取付誤差
    • 無線通信
    • バッテリー
  • モーションセンサのデータ処理
  • 参考文献

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IMUによるモーションセンシング #1 〜慣性センサの基本〜