ここでは運動する物体に装着した加速度センサが一体何を計測しているか,解説します.



 センサを剛体(物体)に固定した座標系Σsの原点に加速度センサを置くと,



のように簡単な式にで表されます.この式は運動している物体の加速度で計測される加速度信号を著した式です.ここで注意が必要なことは,センサは運動しているので,信号の座標系も移動し,向きも変わっています.このような座標系を加速度座標系と言うことがあります.ここで,右辺の最初の項は,加速度座標系の原点の加速度です.ただし向きはセンサに固定されています.gは重力加速度です.座標系の原点ですから,回転半径が0なので回転に関係する項は表れません.

 これに対して,原点からベクトルrで示した位置にある,図の黒丸●の点の加速度座標系の原点から離れた位置にある点の加速度は



のような式で書くことができます.ここでωは角速度ベクトル,rは加速度座標系の原点からの位置ベクトルです.下の式の第3項は角加速度に起因する加速度で,最後の項は向心加速度を示しています.ここのかけ算(×)の記号はベクトルの外積です.1行目と2行目の違いは,見ている座標系の原点が異なります.座標系の取り方で,同じ加速度信号を計測しているにもかかわらず,式の上では,その割合が異なってきますので注意してください.


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