加速度センサとジャイロセンサは慣性センサともよばれます.そのうちジャイロセンサは角速度センサとも言われ,角速度を計測するセンサです.

 ジャイロセンサはカメラの手ぶれ補正やカーナビなどによく使われますが,スマホやタブレットPCなどにも搭載されており,加速度センサも含めてかなり普及しています.ジャイロセンサの計測原理はタイプによって,全く異なりますが,モーションセンサで使用しているジャイロセンサも,スマホやカメラなどで使用されている,振動式ジャイロセンサーというMEMSジャイロセンサーです.

角速度の単位



 角速度は単位時間あたりの回転量で,SI単位系(科学技術で使用される単位系)の単位は[rad/s]ですが,モーションセンサでは通常,[deg/s]などが使用されます.1秒あたりの回転量をdegree(度)で表します.1回転は360[deg]=2π[rad]です.[deg/s]はdps(ディー・ピー・エス)などともよびます.似たような単位で,rpsなどもあり,これは1秒あたりの回転数(rotation)per secondの意味です.

計測原理



 振動式ジャイロの計測原理は,一言で述べると,コリオリ力を利用しています.コリオリ力とは回転運動している中で,さらに並進運動を行うと,横向きに逸れるような見かけの力です.
図のように,コリオリ力とは上向きの右ねじ方向の回転軸を持って,センサが角速度ωで回転している中で,さらにセンサの内部で物体が速度vで運動すると,内部で赤色の向きにコリオリ力fが発生します.



 ではセンサ内部の様子を見てみます.左の図のように,ジャイロセンサは振動しています.ただし振動体とよばれる,両側は反対向きに振動しています.
センサ全体が緑色の矢印の方向の角速度ω(右ねじ方向)で回転し,そして丁度,中央の図のように内向きに速度v方向に振動していると,右の図のようにコリオリ力fは赤色の方向に作用します.このコリオリ力は振動体の両側で反対向きの力が作用するので,振動体全体にねじれが発生します.このねじれの力を測ることによって,角速度を計測することができます.

ジャイロセンサの特性

 もしジャイロセンサから姿勢角を計算するときには,積分演算を通して計算をすることになりますが,このときドリフトという困った性質があります.積分し続けると,ノイズが加算されて,すこしずつ正しい角度からずれていく傾向にあります.また,角度を算出するためには,積分時の初期角度(またはある時点での角度:境界条件)が必要となります.ドリフトを避けるためには,正しい角度を知るための何らかの情報が必要となりますが,スポーツセンシング社のセンサでは,角度を算出時にセンサ内部で加速度センサの情報を利用して補正しながら算出することが可能です.


ジャイロセンサ、DSPを搭載しセンサ内部で柔軟な演算を行える新機軸の無線センサ


クォータニオン算出可能なDSP9軸ワイヤレスモーションセンサ


DSPワイヤレス9軸モーションセンサ

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スタジオで計測いただくことができます


約100㎡(10m x 10m)のスペースがある計測スタジオをレンタルいただく事で、DSP9軸ワイヤレスモーションセンサ等を使用して運動計測、身体計測を行うことができます。



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